バイクの盗難と防止策

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せっかくバイク免許を苦労して取得したのに、肝心のバイクの保管・保全についてはあまり考えていない方が多いようです。
バイクというのは、非常に盗難にあいやすく、盗難認知数でいうと年間やク5~6万件位あるそうです。バイクの販売数が年間約42万台という事実を考えるとその数は大きいと考えられ、自転車の次くらいに盗難被害が多いかもしれません。実際多くのバイクが盗まれ海外に安い値段で売られています。

先日友人のYAMAHA XJRが盗まれました。友人曰くそこそこ値段もする高級ワイヤーロックで完全に固定してあったそうで、夜の10時過ぎに自宅に戻ってきて朝7時には無くなっていたようです。
私からみたら注意不足、残念の一言ですが、友人はそれから一週間かなり落ち込んで朝晩ため息ばかりの状態でした。考えたらバイク本体200万オーバーのものが一瞬で無くなるわけですからなんとも声をかけずらかったです。
友人曰く「金額より精神的にきつい….」との事。愛車は家族以上の存在とはまさにこのことです。
さて、高級ロックでも簡単に盗まれる状況とはどうゆう事でしょうか?10年位前は少年たちがストレス発散や仲間意識の若気の至り的な犯行でしたが、近年はプロの窃盗集団による組織的な犯行になっているようです。プロによる手の込んだ手口ですので、単純な防犯対策では対応できず、更に言えばほぼ発見されるこはないのが現状です。自分のバイクは大丈夫という認識をしている方がおられるならば、それは今日から改めるべきだと思います。まず、なぜバイクが盗難にあいやすいかというと、単純に持ち運びしやすいからです。特に軽量のバイクは、トラック1 台と大人が数人いれば簡単に持ち運び可能です。鍵をかけていても全く意味がありません。つまり不特定多数を狙った犯行の場合、普通に鍵をかけているだけで駐車場に停めておくと対抗手段がないまま盗まれるというわけです。このような場合は保管場所の見直しと盗難保険に入ることが重要になります。
一般的にバイクの盗難事故を防ぐには防犯グッズが必須です。一番いいのは、駐車場の屋根の柱とバイクを固定させるようなグッズを購入し毎回しっかりと施錠をする事でしょう。それくらいしておけば盗難される危険率はある程度回避できると思います。いくら大人数で盗もうとしてもしっかりとロックで固定している部分を解除するには時間もかかりますので、リスク的に見ても盗もうとする人はまずいないでしょう。
このように盗難防止としては盗難保険への加入などのソフト面とチェーンやロックなどの物理的なハード面の対策が重要になってきます。熟年のライダーはそのようなリスクや対策を分かっていると思いますが、盗難防止グッズや保険料金までなかなか手が出ないというのが現状かもしれません。料金面を考えるとメリットとデメリットがありなかなか万全な対策が無いかもしれませんが、やはり愛車がリスクにさらされているのを指をくわえて待つ訳にもいかないと思いますので、ご自身が納得できる盗難対策をした方が良いでしょう。

盗難保険に加入する

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保険はバイク購入時に入るのが一番手っ取り早いです。初心ライダーであればネットで調べるよりショップに聞いてオススメの保険会社を紹介してもらうのもいいかと思います。保険会社によっていろいろなサービス、料金体系がありどれが一番いいというのは一概に言えません。またご自身のバイクが保険対応の車種か、どのような状態で盗難されたか確認する必要があるので、ご自身のバイクライフに合せて検討する必要があると思います。
保険内容一例)
・バイク盗難保険 保険料により補償額は異なりますが、新車や中古車に関わらず補償してれます。盗難にあってもボロボロになって帰ってくる場合も想定して必ず入っていた方がいいと思います。また昔のプレミアムバイク等を所有している方やローン中で支払が終了していないバイクにも適用されます。ハレー公認の保険もあるようです。
・部品盗難保険 バイクのパーツを狙った盗難は意外と多いものです。特に高級バイクのマフラーやサスペンション、ハンドル周りは高額で取引されているようです。そんなパーツのみの盗難に重点を置いてた保険です。
・カギ穴保険 カギ穴の損傷やいたずらされた場合の保険です。バイクの窃盗まではいたらない場合がありますが、この場合カギ穴が壊れている事が多々あります。ロードサービスが受けられるサービスもあります。
「保険が一番」被害にあったライダーからはかならず口にします。年間費用は高くつきますがご自身がどれくらいの価値のバイクを所有しているかしっかり確認して加入して下さい。24時間対応であったり、レッカー移動やガス欠、現場応急サービスなど高額なロックを買うよりは保険に入った方がトータル的にお得な場合があります。

安全な場所に駐車する

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盗難にあう場所はどこが多いのでしょうか?50%は駐輪場、駐車場、35%は戸建や集合住宅、残りはその他で状況によりまちまちです。駐輪場が多い理由として窃盗犯が夜に活動するためだと考えられますので、監視カメラを設置するなど自宅にとめている場合でも注意しないといけません。それでも自宅のガレージやコンテナに入れて保管することが一番の対策かと思います。まず雨の日の盗難される危険性は大分下がります。雨の日にわざわざ痕跡を残す窃盗犯もいないでしょうし、奥に保管してあれば手軽に盗めません。ガレージ内で「地球ロック」をしていれば二重のロック状態になりそれだけでセキュリティ質が高まります。窃盗団が多用するユニック車が入れない場所に駐車することが望ましいです。道路に面している場所に駐車するのは最も危険です。道路上の盗難の多くはキーを差し込んだままバイクから離れての盗難で、10秒もあれば簡単に窃盗されてしまいます。10秒以上離れる場合は必ずキーを抜く事を徹底しましょう。またご自身のバイクに「買い取り」のチラシが貼られていたら注意してください!バイク買い取り業者を装い下見をしている場合が考えられますので、そのチラシに書いてある住所やショップ名を調べてみた方がいいでしょう。敷地内にわざわざ入ってチラシを入れる業者はいないはずです!

バイクカバーをかける

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窃盗団は人気の高い車種を狙って、所有者の行動をよくよく把握してから盗難します。いわゆる下見というやつです。したがって、車種を特定させないためにも、外観をさらす状態にしておくことは絶対さけた方がいいでしょう。この場合新品のカバーよりは少し使い古したカバーの方をオススメします。新品のカバーだと初めてバイクを購入した新米ライダーだと思われ、防犯対策もしていないだろうと勘ぐられるからです。バイクカバーをかけるだけで盗難の危険は避けられます。当たり前ですが耐火性のものを選んでください。

ロックをかける

109-4強固なロックをかけること以上に、気にかけたい事があります。それは手軽にかけられること。強固なロックはかなり重量がありますので、仕事などで疲れているときなどはロックをかけることが面倒になる場合があります。また雨の日などはロックのかけ忘れが多く、窃盗団は雨の日の夜を狙ってきます。一番破壊されにくいのが「地球ロック」と言われるもので動かせない固定物とバイクを鎖で繋ぎます。タイヤロックの場合は2、3人いれば簡単に持ち上げられますので、効果的とはいえません。地面にアンカーを打ちバイクと連結することで盗難を防ぎます。窃盗する側としては時間や手間をかけずに窃盗したいわけですから、破壊やはずすのに時間がかかるロックを使用すればいいわです。そういう意味ではキタコというメーカーのアームロックは重機でも千切れませんので破壊することはほぼ不可能でしょう。またチェーン等もホームセンターで売っているものではなく船舶用のチェーンを利用すればかなり効果的です。持ち運びが可能で手軽なU字やワイヤーロックではプロの窃盗団でなくても破壊可能ですので、少し高価でも優れたものを購入しましょう。

窃盗団の行動

盗難をする方の行動に着目すると、思いつきの犯行でないことが分かります。必ずと言っていいほど下見してから犯行に及んでいます。あれだけの大きな車体を盗むわけですから、単純な思いつきでは成功しないことは犯人自信が一番分かっている事でしょう、従って下見による情報確認が非常に重要で、いつも決まった場所に駐車してたりほぼ同じ時間帯に毎日停めてあったりするバイクは毎日危険にさらされていると言っても過言ではありません。窃盗する側は下見を何回も行いそのバイクが高く売れるか市場価格を調べ、再度現場確認をした上で犯行に及びます。可能であれば保管場所を適度に変える事も重要な防犯対策でしょう。また盗難が発生する時間帯が深夜であることが多いことから、機械のセキュリティよりも人目を嫌がるという事がわかります。人感センサーや鳴き石などの砂利を敷く事も効果的な対策です。窃盗団が盗難が可能か不可能かの判断は容易に盗難することができるかがポイントです。防犯しているという意思が出ているバイクは下見の対象からはずれ、対策していないバイクを何度も下見を行い犯行に及びます。窃盗する側の心理をよく考えて防犯対策をするとより効果的でしょう。

万一盗難にあった場合

速やかに最寄りの警察に届けて下さい。
またグッドライダー防犯登録に登録すると警察と日本二輪普及安全協会
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http://www.jmpsa.or.jp/entry/gbou.html
販売店の3つの連携で早期発見を行います。お客様の所有データが警察のコンピューターに登録され、不審車両が発見された場合は、所有者への確認ができるため、盗難の早期発見を可能にします。なお登録は任意です。
また大型のバイクショップなどでは盗難情報を掲載してくれるサービスもあるようです。

人気のバイクは特に注意が必要です。またバイク自体ではなくパーツだけ狙った窃盗集団もいます。私の友人みたく悲しい自体にならないようにしっかり防犯対策を行い愛車を守ってください。