バイクの事故と注意点

32
普通車免許取得後も運転しない方、いわゆるペーパードライバーがいらっしゃいますが、バイクに関してはペーパードライバーになる方はあまりいません。それだけバイクに対する憧れが大きいのだと思いますが、早く運転したいと気持ちだけが逸って事故や違反を起こしてしまっては取り返しのつかない事になります。免許取得後1年間は「初心運転者期間」で最も事故が多く交通状況の認識が甘かったり、スピードを出しすぎたり事が多々あります。どういった交通状況で事故が起きるか確認しましょう。

単独転倒事故が最も多いのですが、車両間の相互事故の場合普通車は追突が最も多く、その次に多いのが出会い頭、そして右折時、左折時の順になります。
また、バイク免許の場合に最も多いのは出会い頭、そして追突、右折時の順となっており、原付の場合には圧倒的に出会い頭が多く、右折時、追突の順となっています。
このうち出会い頭、右折時、左折時は、交差点で起きる典型的な事故例であり、車両同士が十分に注意することによって回避できるものといえます。
またバイク、自動車のお互いの車両の特性や運転者の特性を理解する必要があります。

[ バイクの特性 ]
・小さい車両のため自動車の死角に入りやすい
・タイヤが二つでバランスを取って走行する車両でバランスが崩れると転倒する恐れがある
・体が自動車のように保護されていないので、少しの事故でもダメージが大きい
・走行時は路面の凹凸にも作用されるので前屈みの姿勢になりがちで視野が狭くなる場合がある
・自己流の走行に陥る
・自動車には実際より遠くに見えたり、速度が遅く感じられ状況を見誤る場合がある

交通事故はこんな場面で起きています

1.見通しの悪い交差点(脇道、駐車場など)から出る自動車と直進のバイクの「出会い頭」の事故
32-1
一番多い事故が出会い頭の事故です。特に見通しの悪い交差点での脇道から出てくる自動車と衝突するパターンがこの事故の典型的な例です。
バイクは小さいためスピードが出ていると気づかれにくく、特に交差点、駐車場の出口付近ではバイクの存在を知らせる事が重要になります。
速度を落とし、相手にしっかり認識してもらうことが必要になります。自動車はボンネットが道路に出ていても運転者は左右の安全が確認できません。左右を確認するためにはかなり車両を進めなくてはなりませんので自動車は道路にはみ出す事になります。自動車に近づいたら自動車の運転者と目を合せてお互いの意思確認できたら進路変更し進むようにします。また進んだ先に障害物が無い事こともしっかり確認しましょう。

2.交差点での右折自動車と直進のバイクの事故
32-2
交差点における自動車の右折と道路左端を直進してくるバイクの「右直事故」も多く見られます。
これはバイクは小さいために自動車からは見落とされたり、「まだ遠くにいる」と距離感を見誤れたりまた実際の速度より遅く錯覚するために起こる事故です。
また渋滞時における右折車に進路を譲った(パッシングなどの合図)対向する自動車の左側からスッとバイクが走行して、右折車と衝突する「サンキュー事故」も多くなっています。
これは直進車の車体にバイクが埋もれてしまい、右折車の視界からはずれてしまうためにおきます。さらに急いで右折しようと横断歩道の歩行者と接触する場合もあります。
交差点ではゆっくり通過する事を基本に細心の注意を払い走行しなければなりません。(停止すると急ブレーキや追突等の危険が予測される場合に限り、黄色信号でも通過することができます)事故の特製、バイクの特製をよく知り交通事故を未然に防ぎましょう。

3.左折時のバイクの巻き込み事故
32-3
交差点では自動車の「巻き込まれ事故」のに注意しなければなりません。自動車や大型トラックは死角が大きいためバイクを見落としがちです。バックミラーの視認に頼る事が多いので後方からの追い抜きをするバイクに気づきにくい傾向があります。
特に夜間は視認性にかけます。
またトラックは特に内輪差が大きいため後輪が前輪よりもかなり内側を通ります。このように自動車の特性もしっかり把握する必要があります。
交差点では自動車が急に左折してくる場合もありますので、交差点手前での追い抜きは絶対禁止です。
バイクは「信号が青だから」「直進優先だから」など基本走行に便りすぎず主張しないでお互いの車両の事を考えて速度を抑えて進入する必要があります。
バイクの場合は大きな車と接触するだけで「死亡事故」につながるという事を頭に常に入れておいて下さい。

4.死亡事故の損傷する箇所
事故が起きた場合一番損傷する主要部位はどこでしょう?それは間違いなく頭部、胸部になります。また事故時の特徴としてヘルメットの脱落が挙げられます。まずは乗用車の基準を満たしたヘルメットをしっかり着用しあごひもをしっかり締めることです。次に胸部プロテクターの付いたジャケットを着用することになります。
バイクは楽しい乗り物ですが、自動車の特性をしっかり勉強する事でより安全に走行できます。教習所で学んだ技能を忘れず「生涯無事故」のライダーを目指し相手の気持ちを考えた走行をして下さい。