ネイキッドからオフロードまで多様化するバイクの種類

28-1
初めてバイクに乗りたい!と思った方は免許の事以上にまずはバイク車両本体に興味が行くと思います。
バイクは日本では毎年約52万台が生産され、実用性のある移動や運搬に特化したバイクから、レーサー用の大型バイク、待ち乗りや趣味で利用する小型のバイクなど社会や交通事情に合せて多種多様なデザインがあります。

このデザインは工業的なものや安全に配慮した上で実用性が伴ったデザインですので、単にカッコイイとかカワイイとか主観的なものとは異なりますが、実に洗練された工業デザインになっており日本のメーカーの美意識が感じられます。オフロードやオンロード、シンプルなものや重厚感があるもの、速さを追求したか快適さを追求したかメーカーによってその作りは様々です。
ここでは現在市販されているバイクの種類をご紹介します。バイクを購入する上で参考にしてみてください。

バイクの特性図

28-2

ネイキッド

「Naked」とは、裸の、むき出しの、という意味の英語で、バイクでネイキッド(Naked)というと、カウルを装着していないバイクのことを言います。よく見かける最もオーソドックなバイクではないでしょうか。ネイキッドというジャンルが生まれたのは、カワサキが1989年にゼファー(ZEPHYR)を発売したことにはじまると言われています。しかし、ロードレーサーのレプリカモデルに代表されるように、市販バイクが高速化されるに伴い、1980年代には、市販バイクは本格的なフルカウルを装着したものが主流となっていきました。
このような流れに反するように生まれたゼファーや、その後発売されたホンダCB400スーパーフォアによって、カウルを装着していない「ネイキッド」は、バイクのひとつのジャンルとして確立されることとになりましたカウルがないため風の影響が受けやすいので高速道路などでは風圧に注意しなければならないと思います。そういう意味では力のない女性には扱いが難しいかもしれませんので、250ccのネイキッドの方が走行は楽かもしれません。
エンジンはスポーツバイク譲りですが、他にあまり特出した特徴がないので無難なバイクになりますが、街乗りから遠出までオールマイティに利用できるので初めてバイクを購入するかたはこのネイキッドがいいでしょう。中古車も一番出回っているタイプなので色々選べる楽しさもあります。
[ 主な車種 ]
ヤマハ:YZF-R1・YZF-R6・FZ1 FAZERなど
ホンダ:CBR600RR・CBR1000RR・CBRシリーズなど
スズキ:GSX-Rシリーズなど
カワサキ:ニンジャ(Ninja)ZX-10R・ニンジャ(Ninja)ZX-6Rなど

レプリカ

昔流行ったバイクのカテゴリーで、その名の通りレーサー(競技車両)のレプリカ(複製品)と言う意味です。メーカーの「競技車両を公道向けに再設計したバイク」がレプリカになります。今は一般的にはスポーツと呼ばれ、また排気量1000ccを超えるものをスーパースポーツと呼んでいます。本物のレーサーバイクは等は公道走行不可ですので、元になるレーサー等をベースに公道走行可能な物にしたりまたは良く似た構成で製造したりします。
現在は排気量400cc以下のレプリカは販売されていませんので、排気量1000ccのスーパースポーツが主流となってきています。このバイクはレース用に合せて設計されていますのでとにかく速く軽く乗り回しが軽いバイクというイメージでしょうか。
常に前傾姿勢で走行しやステップが後ろにあるため体重移動がしやすくカーブ時には特段力を発揮しますが、走る場所を選びバイクの性能を十分に発揮できるフィールドが少ないため初心者には全くオススメできません。こ
の手のバイクは自分の実力以上にバイクの性能が勝っている事が多いので安全に配慮しない極端な走行をしてしまう事があり、大事故につながる危険性があります。また前傾姿勢の維持やクッション性がないシートのため長距離の移動に適していないと思われます。乗りこなすには相当な技術とその性能を熟知する必要があると思います。
[ 主な車種 ]
ヤマハ:TZR250・FZR250・FZR400・FZR750・FZR250など
ホンダ:CBR600RR・NSR250R・VFR400・VFR750など
スズキ:GSXRなど
カワサキ:Z1000R・ZXRシリーズなど

ストリート(トラッカー)

ストリートバイクとはファッション的なイメージあるバイクで、若者中心に人気があるタイプです。オンロードとオフロードの中間に位置するようなバイクで、カスタムできるパーツが豊富にありますので自分オリジナルのデザインを施したバイクを作ることがでるのが魅力です。
市販されているものは排気量250ccのものが多く値段も安いので女性にも好評でよくバイク雑誌でも特集が取り扱われています。しかし近年はビッグスクーターにその地位を脅かされているのが現状です。用途的には変わりのないビッグスクーターと比べるとパワー不足が否めないので、ある程度バイクに慣れると物足りなさを感じる人が多いようです。そういう意味ではファッショに特化したバイクと言えるかもしれません。レプリカや、レーシングマシンなどを好むスポーツ志向とは違い、速さ・硬派といった元来のバイクイメージから脱却したバイクといえるでしょう。
[ 主な車種 ]
ヤマハ:トリッカー・TW225など
ホンダ:FTR223など
スズキ:グラストラッカー・VANVAN200など
カワサキ:250TRなど

オフロード

最大の特徴はなんといってもあらゆる道の路面状況を走れるところで、アスファルトの舗装路から林道まで、場合によっては道無き道まで走れます。
また街乗りから林道まで走れる万能性と手軽な価格でコストパフォーマンスの良さが人気の要因になっています。
バイク競技の舗装されていないトラック(ダートトラックレース)を走るバイクを元に製造されていますので、河原や山の凸凹道など難なく走行できまたサスペンションのクッション性も優れているので衝撃吸収力が半端なく、ネイキッドやスポーツタイプとは異なる楽しさがあります。ストリートと形状は似ていますがタイヤと泥よけの空間が大きく悪路を想定した装備が施されていてよりオフロード向きな仕様になっているのが特徴です。
オフロード専用ですがもちろん一般の道路も走行可能で低速時の発進においてはネイキッドよりスタードダッシュは速いように感じられます。また車体が軽いので女性でも扱いやすく取り回しが楽ですが、車高が高いので横風には注意が必要です。
魚釣りやキャンプ、バーベキューなどアウトドアを心底楽しみたいという方は、オフロードバイクの購入を検討していいと思います。あなたをライフスタイルを変えるバイクかもしれません。
[ 主な車種 ]
ヤマハ:セロー250・WR250・XT250Xなど
ホンダ:XR400モタード・XR250など
スズキ:ジェベル・DR-Z400Sなど
カワサキ:KLX250・D-TRACKER・SUPER SHERPAなど

ヴィンテージ(クラシック)

ヴィンテージバイクは「速さ」を追い求めず、エンジン音、乗っている時の振動などが楽しめるバイクです。昔ながらのエンジン音や懐古的なバイクの外観に興味を抱く人も少なくなく、60~70年代のレトロなお洒落感を味合わせてくれます。
ヴィンテージといえどもエンジンは最新のものを採用していますので走行自体には何ら影響はありませんが一般的な四気筒とは異なり単気筒のバイクが多いのでパワーはそれほどありません。
しかしながらYAMAHAのSR400等は中回転では躍動感を、高回転ではスポーツ感を感じることができ現代のバイクと何ら変わりなく楽しめるバイクだと思います。
「昔ながらのよさ」というものは長いバイクの歴史の中で熟成と深化を重ねてきた本物のバイクという意味でもあります。利便性のみが、人を引き付けるものではないことを認識させてくれる素晴らしいバイクです。
[ 主な車種 ]
ヤマハ:SR400など
カワサキ:W650エストレヤ
ホンダ:CB400SS

ツアラーツアラー

ツーリングに適した装備を施したバイクです。長距離の移動は自動車が一番と考えていた方はその認識をあらためた方がいいでしょう。風よけのフルカウルや大きめなタンク、デジタル燃料系などロングツーリングを意識した装備が随所に施されています。
スーパースポーツとまではいきませんが、全ての面でバイクとしての性能は高く速度も非常に高速です。またロングツーリングに適したバイクと言われ、楽なライディングポジションを保ち、疲労がたまりにくいバイクでシートも前後一体型で二人乗り(タンデム)しやすい構造なので、無理なくタンデムツーリングも可能です。若干重量が有り取り回しが大変と言われていますが、他のバイクと比べてもその万能さは随一のものですので、満足度は高いと言えます。
快適な長距離移動が根底にあるツアラーですが、最近はその理念に「速さ」を備えたメガスポーツなるバイクもあるそうで、ツアラーとスーパースポーツの性能を兼ね備えているようです。以前はツアラーで旅行なんて親父の領域でしたが、速いバイクとしても認識されつつある今は若者にも需要が出て来ているようです。今後更に発展されるバイクかもしれません。
[ 主な車種 ]
ヤマハ:FJR1300など
ホンダ:Gold Wing・VFR・CBR1100XX・STXなど
スズキ:V-strom・V-strom650など
カワサキ:ZZR1200・ZZR400など

ビッグスクーター

AT限定免許で乗れるバイクで「快適さを追求」したスクータータイプのバイクです。
ウィンドシールド(風よけ)や大きめなカウルで風をよけ、まるで高級チェアーのような大きめシートとバックレストが特徴で、長距離走行でもまるで疲れを感じさせません。
MT車のクラッチ操作がないので、バイクらしさがなく面白みにかける反面、究極的に快適さを追求しているという点ではMT車とは異なるバイクの楽しみ方があると言えます。
それだけバイクに求める性能は十人十色で、ことこのビッグスクーターは女性や20代の若者に人気の車種です。通勤、通学やショッピングなど街乗りに適しており、また高速道路も走行できるので
利便性は高いバイクです。
操作はAT限定だから簡単というわけではなく、MT車よりも大きく重い場合があるので小回りなどは意外と手こずるかもしれません。
自動車のAT限定免許が普及したようにビッグスクーターの需要もますます高まる一方です。
[ 主な車種 ]
ホンダ ファルツァ シルバーウィング
ヤマハ マジェスティ
スズキ スカイウェイブ

他にも小型限定免許や原付免許で運転できるデザイン性高いバイクも沢山あります。ご自身のライフスタイルに合せて購入を検討してみて下さい。