初めてバイク免許を取る方へ、種類や費用、取得方法、年齢、教習内容をチェック。


よくある質問に「バイク免許は何歳から取得できるの?」と聞かれます。
バイク免許は高校生など16歳から取得できる手軽な運転免許です。
しかしバイク免許と一口にいっても排気量の大きさに準じて「7種類の運転免許区分」があり、それぞれの免許には「取得可能年齢」や「運転できるバイクの種類」が決まっています。
バイクは大きさや種類によって修得する運転技術がそれぞれ異なるため、細かい運転免許区分があります。
またAT限定免許は「クラッチ操作機能がない」スクーターを中心としたAT車のみを運転することができ、MT車を走行することは法律違反になります。AT車だけしか走行できないという意味で「限定」が付いています。
ここでは7つのバイク免許の種類と年齢や特徴、教習料金、免許取得方法、教習内容等をご案内いたします。

バイク免許の取得方法

バイク免許を取得する場合は「指定自動車教習所で取るか」「一発試験で取るか」の二つの選択があります。

[ 指定自動車教習所で取得する場合 ]

指定自動車教習所とは公安委員会の基準に適合し「指定」を受けた教習所で、卒業すると運転免許試験場での技能試験が免除になります。
新規免許取得者の97%が指定教習所を卒業されていますが、教官からバイクの乗り方、起し方、運転技術、道路交通法、交通マナーなどをイチから身につける事ができるため、初心者は断然指定自動車教習所で免許取得した方がいいです。
一方、指定されていない教習所(届出自動車教習所)もあります。
こちらで教習を行った場合は技能試験や学科試験などは免除になることはなく、ご自身で運転免許試験場で全て受験する必要があります。しかし教習料金が割安というメリットがあります。
一発試験をチャレンジする方や免許再取得する方が利用されています。

[ 一発試験で取得する場合 ]

教習所を利用することなく、ご自身の住所地の運転免許試験場で直接、試験を受けて免許取得する方法です。
一番のメリットは料金が試験費用、車両使用料だけのため格安に免許取得ができるということです。
しかし、一発試験で合格する事は非常に困難と言われており、免許失効などでバイク免許を再取得を考えて運転に自身がある方でも、何回もチャレンジしないと合格できないようです。
一発で合格できれば費用を抑えて免許取得が可能ですが、何回も受験するとなると、意外と割高になる場合があるので、よく考えてからチャレンジした方がいいでしょう。

原付免許(原付1種)

通称「原チャリ」と呼ばれているミニバイクで、車両価格が手頃なので若者や主婦に人気です。
新聞配達や宅配など簡単な配送業務もでき、移動がとても楽になるので日常生活で大活躍します。
普通免許を取得すれば自動的に原付バイクを運転することができます。
2段階右折の義務、30kmの速度制限があります。

[ 取得年齢 ]

16歳から

[ 運転可能なバイク ]

排気量50cc以下

[ 二人乗り ]

不可

[ 教習時限数 ]

適性検査と学科試験と原付講習(3時間)に合格すると取得できます。

[ 費用 ]

・運転免許試験場の場合

8,050円(試験手数料、免許交付手数料、原付講習手数料)
※各都道府県によって異なる場合がございます。

[ 運転可能なバイク例 ]

Honda エイプ / Honda モンキー / Honda ジョルノ

[ バイクの詳細 ]

・税金

自動車重量税 なし
軽自動車税 2,000円

税金は変更になっている場合があります。

・車検

なし

・ナンバープレートの色

白のプレートに黒字

小型二輪免許/AT限定小型二輪免許

原付2種と呼ばれ、この区分の車両が最も多く販売され種類も様々でデザイン性が高いバイクを乗れることができます。
公道でも他の車の流れに合せてスムーズに走行できるようになり二人乗りも可能です。移動距離50キロ、街乗り程度であれば楽に走行できる万能バイク免許と言えると思います。
AT限定小型二輪免許はクラッチ操作がないオートマチック限定しか運転できません。

[ 取得年齢 ]

16歳から

[ 運転可能なバイク ]

排気量125cc以下

[ 二人乗り ]

[ 高速道路 ]

通行不可

[ 教習時限数 ]

適性検査、学科教習26時限、技能教習12時限、卒業検定に合格し、運転免許試験場で学科試験、適性試験を受けます。
AT限定小型二輪免許は技能教習9時限になります。
※所持免許なし/原付免許所持

[ 最短教習日数 ]

最短6日間(AT限定は5日間)

[ 費用 ]

・運転免許試験場で一発試験の場合

6,100円(試験手数料、免許交付手数料、試験車使用料)※試験合格後、取得時講習を受けます。取得時講習16,200円がかかります。

・カーアカデミー那須高原の場合(R3.9.1現在)

所持免許 合宿プラン 通学プラン
なし 90,200円(税込) 121,910円(税込)
普通免許 79,200円(税込) 65,140円(税込)

[ 運転可能なバイク例 ]

Honda グロム / スズキ アドレス

[ バイクの詳細 ]

・税金

自動車重量税 なし
軽自動車税 2,000円(排気量50cc~125CCまで)
※排気量によって異なります。

税金は変更になっている場合があります。

・車検

なし

・ナンバープレートの色

51cc~90cc以下/黄色のプレートに黒字
91cc以上~125cc以下/ピンク色のプレートに黒字

普通二輪免許/AT限定普通二輪免許

教習所では最も多く取得されるバイク免許で、街乗りからオフロード、レーサータイプ等バイク全般を運転できます。
二人乗りはもちろんの事、高速道路も走行できるので旅行やツーリングにも最適です。
近年は都心と中心にAT限定普通二輪免許で運転可能なビッグスクーターが人気です。

[ 取得年齢 ]

16歳から

[ 運転可能なバイク ]

排気量400cc以下

[ 二人乗り ]

[ 高速道路 ]

通行可

[ 教習時限数 ]

適性検査、学科教習26時限、技能教習19時限、卒業検定に合格し運転免許試験場で学科試験、適性試験を受けます。
AT限定普通二輪免許は技能教習12時限になります。
※所持免許なし/原付免許所持時限になります。

[ 最短教習日数 ]

最短9日間(AT限定は7日間)

[ 費用 ]

・運転免許試験場で一発試験の場合

6,100円(試験手数料、免許交付手数料、試験車使用料)
※試験合格後、取得時講習を受けます。取得時講習16,200円がかかります。

・カーアカデミー那須高原の場合(R3.9.1現在)

所持免許 合宿プラン 通学プラン
なし 121,000円より(税込) 137,310円(税込)
普通免許 110,000円より(税込) 80,540円(税込)

[ 運転可能なバイク例 ]

Honda CB400SF / スズキ バーグマン400ABS / ヤマハ SR400

[ バイクの詳細 ]

・税金

自動車重量税 経過年数によって異なります。
軽自動車税 軽自動車税:3,600~6,000円(排気量125cc~251cc以上)
※排気量によって異なります。

税金は変更になっている場合があります。

・ナンバープレートの色

126cc~250cc未満/白色のプレートに緑字
251cc以上/緑枠の白色のプレートに緑字

普通二輪MT免許の教習内容は?

教習から卒業までの流れは[適性検査]→[1段階]→[2段階]→[卒業検定]となり最短9日間で卒業することが可能です。
段階的に教習することで運転技術を着実に身につけていき、同時に学科では交通マナーや法規を学びます。
しかし、指導員が技能が基準に満たしていないため次の段階に進めないと判断した場合は補習が入り、最短で卒業することはできません。

[ 適性検査 ]

視力や聴力などの検査があります。基準値に達しいないと入校できません。
特に視力に関してはいつの間にか悪くなっている場合もありますので、入校前には眼鏡店で視力検査を行い事前に視力を把握し、また眼鏡が必要な方は作成してご入校下さい。

[ 1段階の内容 ]

教習時限数

技能 学科
9時限 10時限

※所持免許なしの場合

エンジンの掛け方、発進や停止、ウィンカーの出し方、クラッチのつなぎ方、ブレーキのかけ方など基本的な操作がメインで、1段階ではバイクの特性をつかみ実際に教習コースを走行し運転に慣れていきます。
教習コースではクランク、S字カーブ、交差点、坂道等があり、道路状況に応じた教習をしていきます。
結構手こずるのが、バイクの取り回し(エンジンをかけず、バイクを押して歩く)や倒れたバイクの引き起こしです。
初めてバイク免許を取る方はその車体の重さに上手く対応できない方がいますが、コツを覚えることでスムーズに行えます。(腕の力だけでなく腰で車体を支えながら、身体全体を使う。)
次に手こずるのがシフトアップです。
シフトアップはアクセル、クラッチレバー、チェンジペダルの一連の動作を素早く行い加速します。手と足の動作を一瞬で行うため最初は誰しも手こずるかと思いますが、頭で考えるより身体で覚えろ的な操作になりますので、失敗を恐れず何度もチャレンジすることが大切です。

[ 2段階の内容 ]

教習時限数

技能 学科
10時限 16時限

※所持免許なしの場合

2段階に入ってもクランクや一本橋など1段階と同じコースを走行しより運転になれることができ、自分のライディングや操作を客観視できるかと思います。そうすると自分で苦手な部分も分かってくるはずです。
2段階では法規走行や検定コースを中心に教習しますが、これは卒業に向けた技能を学ぶ事に他成りません。卒業検定で減点が重なり不合格にならないよう減点されないライディング能力を身につけていきます。
また2段階では「急制動」という課題もあります。
急制動は直線コースにおいて指定速度40キロを出し、その速度を保ったまま急制動開始地点からブレーキをかけて11メートル先の停止限界位置でバイクを停止させます。
指定速度に達しないで開始線に入った場合、開始線手前からブレーキを開始した場合、11メートルを超えた場合等は失敗です。
加速し過ぎても、早めにブレーキをかけても失敗するので絶妙な運転操作が要求される難しい教習課題です。
誰もが難しいと感じる教習ですので、指導員だけでなく他の教習生のアドバイスも聞いてみるといいでしょう。

[ 卒業検定 ]

卒業検定は今まで修得した技能のレベルを図る最終試験です。持ち点100点でミスがあるたびに減点されていき、最終的に70点以上残っていれば合格となります。
検定試験には一発で試験中止になる項目や減点5点、10点などの項目もあるので、つまらないミスを重ねないようにしましょう。
卒業検定で合格すると、教習所を卒業になります。

普通二輪免許の難関な教習課題

[ 一本橋 ]

一本橋は長さ15メートル、幅30センチの板のようなコース(橋)を7秒以上かけて低速で通過します。
途中、脱輪して板から落ち場合はアウトです。

ポイントは二つあります。
1)橋に乗れるか?
2)バランスが取れるか?

1)から見て行きましょう。
この幅30センチの橋は高さ5センチの段になっており、まずはこの橋に乗ることが第一歩となります。
この5センチの高さが非常にやっかいで、初挑戦では乗り上げる時ハンドルがふらつきバランスを崩してしまうことでしょう。
ここでチェックしたいのが、バイク本体と橋が一直線になっているか?です。
一本橋進入時にハンドルが斜めになっていたり、タイヤが少しでも曲がっていると、橋の乗り上げ時にハンドル操作を余儀なくされ、それだけもバランスを崩してしまいます。
最初の進入時はできるだけ余分なハンドル操作をなくすために、バイクと橋が一直線になっているか意識しましょう。
またふらつきを意識しすぎてゆっくり乗り上げても逆にハンドルを取られる形になりますので、ある程度勢いよく乗ることも大切です。
渡りきるには7秒のタイムが必要ですが、これは後輪がしっかり橋の上に乗ってから調整しましょう。

2)に関しては7秒というタイムに関係します。
幅30センチの橋は実際に体感するとかなり細く、7秒という時間は長く感じることでしょう。
この時間が焦りを誘導し、ふらつきの原因になります。
ここで着目するところは、視線とハンドル操作です。
この2つは連動しています。橋に注視しすぎると頭も一緒に動くためふらつきの原因となり、そのふらつきを調整するために小刻みなハンドル操作で軌道修正する必要があります。
視線を遠くに向けると頭がうごかないため上手く渡れるといいますが、橋を一切見ずに渡りきる事も難しいです。
その時は頭をできるだけ動かさず、目線だけ下に向けるようにしてバランスを取ります。
始終ふらつかず橋を渡りきる事は教習指導員といえども難しい芸当です。
ふらつきはどうして起きてしまうので、そこでどう修正するかがポイントになります。
そこで必要な技術がミリ単位のハンドル操作です。軌道がずれたためハンドルを一気に戻しすぎると逆側に落ちたりしますので、細やかなハンドル操作をマスターしましょう。そして身体はどっしり構えて、頭と腰がバイクの重心に乗るイメージを持ちます。
身体でバイクを動かそうとすると車体のバランスも崩してしまうので、あくまでも身体とバイクは一体化してハンドル操作をしましょう。

大型二輪免許

ハーレーを主軸とする1000ccを超える海外のモンスターバイク等全てのバイクを運転する事ができるバイク免許の花形です。
以前は試験場のみで取得可能で、その狭き門から大型二輪免許を所持している方は憧れの対象でありましたが、教習所で取得可能になり近年はリターンライダーを中心に入校者数が増えています。
車体が大きいため普通二輪免許より扱いが難しいのと運転する方の体格や技能に左右されるバイクですので、まずは普通二輪免許を取得してその後ステップアップで挑戦する事がオススメです。

[ 取得年齢 ]

18歳から

[ 運転可能なバイク ]

排気量制限なし

[ 二人乗り ]

[ 高速道路 ]

通行可

[ 教習時限数 ]

適性検査、技能教習12時限、卒業検定に合格し運転免許試験場で学科試験、適性試験を受けます。
※普通二輪免許所持の場合は学科教習がありません。

[ 最短教習日数 ]

最短6日間(AT限定は5日間)
※普通二輪MT免許所持の場合

[ 費用 ]

・運転免許試験場で一発試験の場合

6,100円(試験手数料、免許交付手数料、試験車使用料)※試験合格後、取得時講習を受けます。取得時講習16,650円がかかります。

・カーアカデミー那須高原の場合(R3.9.1現在)

所持免許 合宿プラン 通学プラン
普通二輪MT 109,450円(税込)より 95,500円(税込)
普通免許 200,750円(税込)より 160,070円(税込)

[ 運転可能なバイク例 ]

ハーレーダビッドソン V-ROD / Honda NM4-01 / ヤマハ VMAX

[ バイクの詳細 ]

・税金

自動車重量税 経過年数によって異なります。
軽自動車税 軽自動車税:6,000円(排気量251cc以上)

税金は変更になっている場合があります。

・ナンバープレートの色

緑枠の白色のプレートに緑字
※免許取得費用、税金は変更になる場合があり保証するものではありません。

バイク免許の限定解除

オートマチック車からマニュアル車へ切り替える事も可能です。
その場合は切り替えに必要な技能教習を受ける事が必要になります。

その他

バイクの所有者は自賠責保険に加入する必要があります。
125cc以下:6,910円~
125cc~250cc以下:7,100円~
※保険期間によって異なります。
※車検は250cc以降のバイクにかかります。

教習所卒業後の手続と免許証の交付の流れ

教習所を卒業した後は住所地の運転免許試験場(免許センター)で学科試験(本免)を受験します。
指定自動車教習所の卒業証明書があれば学科試験は免除になります(卒業証明書は卒業後1年間有効)

[ 運転免許試験所の手付きの流れ ]

1)学科試験

2)合格発表

3)適性試験(視力、聴力等)

4)写真撮影

5)免許証の交付

午前中に試験を受けに行って午後3時頃に免許証が交付されますので、丸1日かかる事になります。
他、免許交付手数料や持ち物などリンク先でご確認下さい。
また受付時間に遅れると試験は受ける事はできませんので、早めに試験場には到着しておくようにしましょう。

教習の有効期限

教習所に入所後は1年も2年も長い年月をかけて教習することはできません。
教習には有効期限があり、万一期限が切れると教習を最初から受け直しすることになるので、ご注意下さい。

[ 教習の有効期限 ]

教習開始から9ヶ月以内に学科、技能を修了する必要があります。

[ 検定の有効期限 ]

学科、技能全課程をを修了した日より3ヶ月以内に卒業検定に合格する必要があります。

[ 仮免許証の有効期限 ]

仮免学科試験合格した日から6ヶ月です。有効期限を過ぎた場合は卒業検定を受ける事は出来ません。
※バイクの教習には仮免許証はありません。

まとめ

このようにバイク免許と言っても様々な特徴がありますので、免許を取得する基準はご自身のライフスタイルや体格に合せて選んだ方がよいでしょう。
街乗りだけで使うのならオートマ限定で十分です。しかし本格的にレーサータイプやハーレーを乗りたいのならマニュアル車が必須です。
保険料や税金等の事も考え免許取得後、将来どのようなバイクライフを送りたいのかしっかり考えて選びましょう。
また免許の取得方法としては運転免許試験場で一発試験でご合格すれば格安に取得できますが、合格率の低さを考えると指定自動車教習所でしっかり技能を身につけた方がいいです。
一番大切な事はしっかり運転技能を身につけて、身の丈にあったバイクを乗る事です。