はじめての原付免許

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当校の予約センターで意外と多い問い合せが「原付免許」についてです。
特に夏休みに取得したいという内容の問い合せがあるのですが、当校では原付免許の教習は行っていませんので、丁重にお断りしています。(普通自動二輪免許を取得した方がいいでよ~なんて逆に宣伝しています)
しかしなぜ問い合せが多いかと考えてみると端的に言うと「若者に需要がある」ということだと思います。どういった所が若者に受けているのでしょうか?

原付免許で乗れるバイク

原付免許は正式名称を原動機付自転車といい排気量50cc以下のバイクを運転することができます。普通自動二輪や大型自動二輪等のバイク免許とはジャンルが異なります。
原付には第一種、第二種と分かれており排気量50cc以下のバイクは第一種原付に該当しナンバープレートは白色になります。
ちなみに第二種原付は50cc以下で90cc以下のバイクが黄色、排気量が90cc以上で125以下のバイクが桃色になります。
原付には3種類のプレートが存在しますので中古車などを購入する際はしっかりバイクの排気量とナンバープレートを確認して購入して下さい。万一排気量50ccのバイクに黄色のナンバーを付けて走行した場合は法的に罰せられる可能性がありますのでご注意下さい。

原付免許の利便性(排気量50ccの場合)

・今まで自転車がメインの行動範囲が一気に広がり、移動が楽になります。
・運転免許が公的な身分証明書として利用できます。
・街乗りや通勤、通学に利用できます。また仕事としても新聞配達、ピザの宅配、小荷物等の配達業務に就く事ができます。
・乗り物の中では維持費があまりかかりません。車検がありません。
・燃費70km/lとバイクの中ではトップクラスです。
・学科試験と技能の講習を受けるだけで取得できます。(教習所で学科教習・技能教習や検定試験などはありません)
高校生や大学生や主婦の方は自転車移動が多いと思いますので、ライフスタイルが一気にかわるかもしれません。
自転車で行くには少し遠いな~と感じている場所にもストレスを感じずに行くことが出来ますので「時間の短縮と移動の楽」に
魅力を感じているかと思われます。

しかし一方でデメリットも考えられます。
・免許なので取得費用がかかります。
・安いと言われていますが、税金や保険料、またエンジンオイル代などの維持管理費がかかります。
・事故の発生率が高まります。
・自動車との接触があった場合は損害が重大です。
・降雪や雨時は防寒防具が必要になります。
・水たまりや砂利道等の悪路はタイヤが小さいため安定しません。

また走行は原付独特の交通法規があり道路交通法を覚える必要がありますので、法規に則った走行をしなければなりません。
例えばこちらのマークは二段階右折を表しています。
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指定された道路や片道3車両通行帯がある場合(信号機などの交通整理がある場合)での右折は二段階右折が義務づけられています。
※二段階右折禁止の標識の場合はこの限りではありません。

【二段階右折の方法】
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A. 道路の左端に寄ります。
B. 交差点30m手前で右折の合図を出します。
C. 青信号である事を確認し徐行しDまで進みます。
E. 前方の信号に従って安全を確認し発進します。

法定速度は30m/hですのでスピードの出し過ぎに注意しなければなりません。慣れてくるとアクセル全開でメーターに気を配らずに走行してている方も多いです。スピード違反には注意してください。
高速道路の走行や二人乗りもできません。
これらの事を総合的に考えて制限があまりない125ccまで乗れる小型限定免許を取得する方もいらっしゃいます。
ただし小型限定免許は教習所や運転免許試験場などで技能教習や技能試験を受ける必要があります。

原付免許取得について

各都道府県の運転免許試験場で「原付免許試験」を受講する必要があります。※免許試験手続きの詳細は各都道府県により異なります。
また普通免許を取得していれば運転することができます。
当日いきなり運転免許試験場へ行っても受講できるとは限りませんので、あらかじめ受講日などを確認した方が良いでしょう。

【取得可能年齢】
16歳以上~

【免許取得費用】
・試験手数料 1500円
・免許交付手数料 2,050円
・原付講習手数料(原付のみ)4,500円

【申請に必要な書類】
・本籍が記載された住民票の写し
・身分証明書
※本人確認書類として健康保険証、住民基本台帳、旅券などのいずれかの提示が必要です。
・運転免許証
※運転免許証がある人は住民票の写しと身分証明書は必要ありません
・写真1枚 ※規定のサイズ、使用のもの
・印鑑
・原付講習終了証明書 ※既に原付講習を受講している方

【服装など】
運転するため運転にふさわしい服装が必要です。
長袖、長ズボン、スニーカーなど

※詳しい案内は都道府県の運転免許試験場へお問い合わせ下さい

免許交付までの流れ

1.適性検査
視力検査(両目で0.5以上、一眼が見えない方は他眼で左右150度以上で、視力0.5以上)他、色彩、運動能力や聴力の検査があります。

2.学科試験
50問出題で90%以上で合格になります。(イラスト問題が2問出題されます)

3.原付講習
3時間の実技があります。基本操作など安全運転の技能を学びます。

講習受付~運転免許証の発行は午前8:30位から始まり夕方位までかかる場合があります。

原付バイクの購入について

たぶん原付免許を取得される方は初めてバイクショップへ訪れるかと思います。
バイクの種類自体は雑誌やネットで調べればすぐ出てくると思いますので、ショップには欲しいバイクのイメージを伝えてください。
重要なのはどこで買うかです。
初めてバイクを買う場合はネットではなくご近所のショップや親類のすすめるショップで購入した方がいいでしょう。
ネットの販売店でも多数の写真が掲載していますが、バイクはやはり実際シートに座ってまたいでみないとそれが自分にあっているものか
わかりません。初めての場合は尚更で座った感覚やアクセルグリップ等の握り具合などは店員に聞いてプロの意見を取り入れながら購入した方が良いでしょう。また一つのショップだけでなく、他の店にも行って見積もりを貰い値段比較をすることで自分の相性が合うショップといものが分かります。ショップは購入したら終わりではなくローンの組み方や今後のメンテナンスや装備品など何度も訪れるところですので、相談に乗ってくれる店員さんも重要なパートナーです。その他ヘルメットやグローブ、盗難防止のカバーなど初めて購入する際は自分が考えていないところで費用が発生しますので本当に必要なものか確認して下さい。
また保険には必ず加入しましょう。
自賠責保険(強制)と任意保険がありますので、加入年数や内容についてしっかり確認しましょう。
バイク税金と保険について
原付といえどもこれからは法律に基づいて安全走行を徹底し事故等は絶対起こしてはなりません。
そのためにも安全に運転できるか、一人よがりではなく、ショップや先輩などのアドバイスを元に購入してください。

いろいろな原付バイク

通学や街乗りバイクらしくカラフルでオシャレなバイクが多いです。
Honda Today
Suzuki StreetMagic
Yamaha Vino

色々書いてみましたが、一番重要な事は事故を起こさないということです。
16歳で取得する方が多いと思いますが、その時だけの思いつきや憧れだけの感情で動かないで「必要性、安全性、使用頻度、移動距離、その道路の状況、車体費用、維持費」などトータルで考えてみてください。それで、消去法なりで選んでいけば必然的に乗りたい種類、車種などが決まっていくと思います。もしかしたら、免許が必要ないという判断になるかもしれません。
手軽な原付免許だからこそ、事前に情報を入れて慎重に選びましょう!